船釣りやってみよう!

昨今、タイラバやSLJ(スーパーライトジギング)などが盛んだ。乗り合いの遊漁船も多数あり、その船釣り(オフショアフィッシング・沖釣り)は手軽に出来る釣りになっている。

そんな『船釣りを始めてみたい…』と思っていても、周りに経験者がいなかったりすると、手順やルールなどが分からず、なかなか手が出せないという方もおられるのではないだろうか?

そんな船釣りビギナーの方一人でも手軽気軽に行けるように、予約手順や船釣りの専門用語などを簡単に説明してみたい。

船釣りをするにはどうすれば?

◆釣り場・釣り種・遊漁船を決める

まずは希望する日時、場所、釣り種(釣りたい釣り方・魚種など)を決めたら、目的に合った遊漁船を釣り雑誌やネットなどでピックアップしてみよう。

◆遊漁船への確認・予約

釣りに行きたい日時の予約状況を、遊漁船に確認。例えば、『○月○日○曜日の午前中(もしくは午後)の便に空きがありますか? タイラバをやりたいのですが』という感じで。ここで船長の返事が『空いてます。タイラバ大丈夫です』ならば予約成立。しかし、空いてなかったり、当日はタイラバではなくジギングで出船だったりする場合は、断りを入れて他の船に問い合わせし直すか、他の空いている日を確認して釣行日の方を変更したりする。

グループで貸切にしたい場合も可能かどうか確認する。船には定員があるので何人まで大丈夫かの確認は重要だ。貸切は総額で値段が決まっている場合が多く、少人数ではコスト高になるのでその点には注意を。貸切の場合は乗合の予約が入っていないことが前提なので早めの予約がお薦め。

◆予約が取れたら

無事予約が取れたら、まずは船長に用意するタックル・仕掛けの確認をすること。タイラバであれば、ヘッドの号数、アタリの多いラバーのカラー、ライン(PEやリーダー)の号数など、エサ釣りなら天秤なのか胴突なのかとか、必要なエサの量と種類、また他に用意しておくもの(氷など)があれば聞いておく。

◆レンタルタックルもある!

この時、もし専用のロッドやリールなどを持っていなくても、船によってはレンタルを用意している場合も多いので、最初で初心者であるということ、タックルも持っていないと伝えておくことも大事。

◆釣行前日の確認

釣行日の前日、夕方に天気予報を確認し、天候が心配されるようなら出船するかの確認をすること。このときに大事なのが出船時間(集合時間)、出船場所、駐車場所の確認も忘れないように。当日、初めて行くような場所なら余裕を持って到着しておくことを心掛けよう。

◆釣行日の朝での注意

もし当日の朝、寝坊や不慮の事故、車の故障などで出船時間に間に合わないような事態になったら必ずすぐに船長へ連絡すること。そこで出船を待ってもらったり、乗船断念という事態も船長判断によってはあり得るが、他の乗船客の迷惑にもなりますので従うように。

◆もしキャンセルするような時は

釣行予定日に仕事や所用が入ってしまい行けなくなってしまうこともあるかと思う。そういう時は遅くても前日までにキャンセルの連絡をすれば、ほとんどの場合どの遊漁船でも快く了解してくれる。また、貸切の場合以外ではキャンセル料などを請求されるようなことはないかと思う。出来れば連絡の際に次回の釣行予定が決まっていれば予約の変更をしておくといいだろう。

連絡無しのキャンセルは絶対に厳禁。最低のマナーですので注意しよう!

◆船酔い対策

船釣りに慣れていない場合、これが一番の心配事だろう。

対策としては、前日に十分に睡眠をとり、朝に少し食べ物をお腹に入れておき、乗船前30分までに酔い止め薬を飲んでおけば、よほどのシケでない限り大丈夫な場合が多い。一応、予備の酔い止め薬(酔ってから追加で飲んでも効果がある)と多めの水分の用意(酔うと脱水症状になりやすいため)をしておくといいだろう。

船釣り専門用語と知っておきたい知識

船釣りでよく使われる専門用語をいくつか説明をしておこう!

  • 乗合…遊漁船が釣り客をフリーで募集し、満船になれば募集終了となる。基本的にはこの方式が一般的。
  • 貸切個人またはグループで、一定料金で一定時間遊漁船を貸し切ること。一般客は基本的に乗船出来ないことが多い。

★船の流し方

  • アンカリング…アンカー(錨)を入れて船を固定して釣りをすること。コマセマダイ釣りや夜釣り(タチウオ釣りなど)で行うことが多い。
  • ドテラ流し…船を風や潮に対して横向きにして流す方法。よって釣り座は片舷側に限られる。タイラバやジギングなどではこの流し方が主体。
  • シーアンカー(パラシュートアンカー)流し…船首もしくは船尾からパラシュート状のシーアンカーを投入し、船の姿勢を安定させながら潮に乗せて流す方法。風に影響されず潮と同調して流せるので船の真下を釣りやすくなる。よって両舷からの竿出しが可能。ドテラ流しと状況次第で使い分ける遊漁船が多い。
  • タテ(バーチカル)釣り…船を風上に向けて立て、スパンカー(船尾に装備している帆)や潮の流れに船の推進力や舵などで調整しながら同調させて流す方法。潮流に関わらず常に船の真下を釣ることが出来るので両舷から竿出し可能。船が混み合う海域で多用される方法で、カワハギ釣りやジギングなどではこの流し方が多い。

★船の釣り座の名称と特徴

  • ミヨシ…船の先端側

長所…比較的船上に障害物が少なく、ルアー釣りの場合、船首側からはキャスティングしやすいので広い範囲を探れる。船にもよるが、比較的スペースが広いのでゆっくり釣り座が取れる。

短所…アンカリングした場合、風上側に当たるので、シケ気味になると風波で船が上下し揺れやすい。

  • へさき(舳)…船の船首。船によってはホースヘッド部分などを指す。

長所…ジギングやキャスティングなどのルアーでは船の全面エリアを広く狙える。

短所…先端部で足場が高く悪いのでエサ釣りでは釣り座になりにくく、また、波があるときは揺れが大きくなり危険。

  • 胴(胴の間)…船の中間部

長所:船の中間部なので安定↓揺れが比較的少ないので船に弱い方にお薦め。常に船の真下を釣れるので釣果も安定しやすい。

短所…船のコンソール横になるためスペースが狭い。

  • トモ(艫)…船尾側

長所:比較的仕掛け絡みの心配が少なめでルアー釣り、エサ釣り共に自由度が高い。また、潮下で魚が最初に入って来る向きになるのでアタリの期待度も高い。

  • 大トモ…船尾後方向き

長所…トモ同様、自由度の高い釣り座。潮に乗せて流す釣り(チョロ釣り)などがやりやすい。

短所…釣り座下に船のプロペラや舵があるのでライン操作や魚を取り込む時に注意が必要。また、エンジンを掛けたまま釣りをする際に排気ガスなどの影響を受けやすいため船に弱い場合は避けた方がいい(排気ガス、特にディーゼルの場合、ちょっとでも吸い込むと船酔いしやすいため)。

この夏、船釣りに行ったことない方も是非挑戦してみてはいかがだろう?
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