CAUTION!

釣りをしていて掛かって来る魚は全てが安全ではない。釣りを存分に楽しむにはあらためてしっかり把握しておきたいところ。今回は触ると危ないヤツを紹介しよう!

 

バリ(アイゴ)

 以前は主に夏~秋が釣れるシーズンでしたが、南九州では昨今は年中釣れて来ると言ってもいい、フカセ釣りでメジャーな魚。

 食味は結構いいので狙って釣ることもある魚だが、釣り上げた後に無闇に魚体に触るのはNG。背ビレ・腹ビレ・臀ビレが鋭く、それぞれに毒腺を備えており、この棘が刺さると毒が注入されて数時間~数週間ほど痛みが続いてしまう。よってメゴチバサミやフィッシュグリッパーの用意が必須。稚魚でも毒は強いので注意。筆者はサビキに釣れた6㌢程の稚魚を手に当ててしまい被害を受けた事がある

処理方法

図のようにキッチンバサミなどの大きめのハサミで背ビレ・腹ビレ・臀ビレを根本から切り落とす。この時注意が必要なのが『隠れ棘』。背ビレの前の頭部分に1本前向きに埋もれた棘があるので、これを前方から掘り起こして忘れずに切り取る事。また、切り落としたヒレの棘に刺さる危険もあるので、そのまま放置せず処理しよう。その後、頭から骨を切って腹ビレの手前まで切り込みを入れて頭を引っぱると頭に内蔵まで付いて綺麗に取れるので海水で洗って身部分だけ釣り場から持ち帰ると臭みもなく美味しく食べられる。切れ目を入れる際は内蔵を傷付けないよう注意。

刺された時の対処

バリの毒はタンパク系で熱で分解しやすいので、患部をやけどしない程度のやや熱めのお湯(4550℃)に漬けると痛みが緩和します。もし痛みがひどい場合は患部を消毒して早めに病院で治療を受ける事。

 

エイ(アカエイ)

 砂地や干潟に多く、主に堤防などで投げ釣りやぶっ込み釣りをしていると時折掛かって来るのがこのエイ。掛かると寄せて来るまでデカバン真鯛などと思い込みやすい重々しい引きを見せるが、正体を見ると大体ガッカリさせられてしまうことも

 ほとんどの場合、取り込みまで至らずラインを切ってしまうことが多いと思うが、もし引き上げてしまった場合、尾っぽの付け根近くに毒腺のある鋭い棘があり、ノコギリ状になっているため刺さると傷口が広がりやすいのでかなり危険。サーフや干潟でのウェーディング時や海水浴、貝掘り、サーフィンなどの時に踏みつけてしまったりする場合も多いので注意が必要。

症状

刺さるとしばらくして激しい痛みに襲われます。傷口の周囲は紫色に腫れ上がって来て、呼吸障害、発熱、血圧低下などの症状が出て来ます。

対処方法

エイの毒もタンパク系で熱で分解しやすいため、まず棘を抜いて傷口を真水、あればミネラルウォーターなどで洗い流し、傷口を火傷しない程度のやや熱めのお湯(4550℃)に漬けると痛みが緩和しますが、そのままにせず、出来るだけ早く患部を消毒して病院で治療を受けることをお薦めする。

 

ヒョウモンダコ

 このタコ、近年各地で発見、目撃が相次いでニュースにもなっているので知っている方も多いと思う。イイダコに似た体長10㌢前後の小型のタコで、興奮すると体色が黄色くなり青いリング状の斑点模様が出て来る。胴体もマダコやイイダコに比べ、先端が少し尖っているのも特徴。毒はフグと同じテトロドトキシンを含み、主に噛み付かれると危険。また唾液を吐く事もあるので無闇に触ったり覗き込んだりするのも注意。噛まれるとテトロドトキシン中毒により死亡することもある。もちろん食しても危険。

 タコ釣りやイイダコ釣りに交ざる確率が高いですが、エギングやキス狙いなどの投げ釣りにも掛かることが考えられるので、ともかく小型のタコが掛かったら一応確認することをお薦めする。また、潮溜まりなどでの小磯遊び、貝掘り時などでも注意、特に子供連れの場合はタコには触らないよう言い聞かせておくといいだろう。

症状・対処方法

噛まれると毒で運動神経が麻痺し、言語障害や嘔吐、目眩、呼吸困難などの症状が現れます。重傷なら心臓マッサージや人工呼吸等の救急処置が必要ですが、ともかく噛まれたと思ったらすぐに病院へ急行、もしくは救急車を。

 

海ケムシ

 ゴカイと同じ多毛類で、主に砂地、砂泥地に生息しており、ぶっ込み釣りや投げ釣りで置き竿で長く放置しているとハリ掛かりして来る事が多い。まさに毛虫のように細い体毛が生えておりこれが毒針になってる。釣り上げると警戒のため毛を逆立てることが多いのでこの時に触らないよう注意が必要。

症状

刺さると毛が抜けて患部に残り激しい痛みと痒さ、腫れなどが続きます。

対処方法

刺さっている毛を抜いて、水道などの流水で患部を洗い流し、乾燥させた後、セロテープやガムテープで残った毛を極力取り除いて消毒する。かゆみ痛みが続く場合は軟膏(ステロイド系がいいようです)を塗るといいが、出来れば早めに皮膚科を受診することをお薦めする。

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