CAUTION!
今回は釣れた魚を捌く際に出て来て『ビクッ!』としてしまうアレ、寄生虫について少し触れてみたい。少し不快な点もあるかと思うが、身近な釣魚にも付いていることも多いので、少しでも寄生虫について知識があることは無駄にはならないのではと思う。
アニサキス(危険度★★★★)
海産動物に寄生する寄生虫でアニサキス科に属する線虫の総称。2~5cm程の体長で体色は白い半透明、渦巻き状になっていることが多い。
寄生する主な魚
サバ・アジ・アオリイカ・鮭など
寄生場所
魚の内蔵、特に腸に多いが、身に潜り込むこともある。
人への影響・症状
摂取した場合、ほとんどは排出されるが、たまに胃や腸に寄生し、壁を喰い破ってしまい、その場合、寄生された箇所に痛みを感じ、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が出るので、すぐに病院での治療が必要。たまにアレルギー症状が出ることもあるので注意。
処置方法
極力生食を避けるのが一番だが、マイナス20℃以下で24時間以上の冷凍処理、または60℃以上で1分以上の熱処理すると死滅する。死んだ個体は食べても影響はないとされている。
ブリ糸状虫(危険度★)
ブリの身に寄生している細いミミズのような線虫。特に天然ものに寄生していることが多い。寒ブリには少ないとされているが、私のよく行く釣り場、錦江湾で釣れるものには多い。
寄生場所
魚の血を吸うようで、血合いの近くに多い。
人への影響
人への寄生は無いので、もし食べてしまっても問題は無い。
処置方法
気になる場合は捌く段階で見付けやすいので取り除きやすい。
ハダムシ(危険度★)
回遊魚の魚体外側に付いている白い虫。魚の肌に寄生するのでその名称になっているようだ。
寄生する主な魚
ブリ・ヒラマサ・カンパチなど
人への影響・処置方法
身ではなく魚体外側に付いているので取り除きやすいため害は少ない。
テンタクラリア(危険度★)
カツオの主に腹部分に多く寄生している米粒状の白い虫。
寄生する主な魚
カツオ類
人への影響
人への寄生は無いので、もし食べてしまっても問題は無い。カツオにはブリ糸状虫のような線虫(カツオ糸状虫)も付いていることがあるが、こちらも人への影響は無く食べても安全。
タイノエ(危険度★)
1~4cm程のサナギやダンゴ虫のような形状で白っぽい体色をしている。魚の食べカスを摂取しているという説もあるが、魚の体液を吸っているようだ。寄生しているのを見てしまうと気持ち悪いと感じてしまうこともあると思うが、健康な魚体に付いていることが多い。目立つので比較的取り除きやすい。
寄生する主な魚
マダイ・チヌ・キビレ・シブダイ・フエフキダイ・コロダイ・アマダイ・アジ・サヨリなど
寄生場所
魚の口の中やエラ付近に多い。たまに外側にも付いていることも。
人への影響
前述のように取り除きやすいので問題は少ない。もし食べてしまっても健康に影響はないようだ。
サヨリヤドリムシ(危険度★)
タイノエに似た白い虫で同じようにサヨリのエラに寄生している。こちらも目立つので取り除きやすく、処理すれば問題は無い。
このようにアニサキス以外の寄生虫は危険度が少ないので無闇に嫌がる必要はないかと思う。せっかく釣った魚は出来るだけ美味しくいただきたいものだ。