冬〜春のアオリイカはヤエンが高確率。それを船から狙えばさらに期待度倍増!

2月から5月にかけてアオリイカは産卵期に入ることが多い。

場所やエリアにもよるが、ショア、ティップランともにエギングはやや厳しい時期。それでもイカを釣りたいなら、やはりお薦めなのはヤエン釣り。

ヤエン釣りとは

 道糸に活きエサなどを付け、アオリイカに抱かせて喰い付かせ、ヤエンという専用仕掛けで引っ掛けて釣り上げるという、釣り方も仕掛けもとてもシンプルながら、イカにエサを抱かせてから引き寄せる引っぱり加減、ヤエンを入れるタイミングなど、非常にスリリングでもありゲーム性も高い釣り方。また、活きエサもしくは生エサを使うため、他の釣り方に比べ、圧倒的にアタリの出る確率が高い。

ヤエンの釣り場は

 ヤエン釣りの出来る釣り場は、堤防、砂浜、それに船からと広範囲。早い話、アオリイカの実績がある場所ならどこでも出来る可能性が高い。水深は浅くても深くてもあまり関係ないが、潮があまり速くなく、また釣り座周辺に極力障害物が無い方が無難で釣りやすい。

ヤエン釣りの仕掛け

 

ロッド

磯上物用の1.5~2号で、長さは3.65.4㍍がお薦め。ヤエンをラインに通すには短めの方がやりやすいですが、ヤエンの投入~操作には長めの方が有利なので、極力長めの方がお薦め。

リール

ナイロン2号が150m以上巻ける小型スピニング。ベイトリールではイカが勢いよく走った時にラインがバックラッシュしてしまう恐れがあるのでこの釣りにはあまり向いていない。一般的なフロントドラグのリールでも可能だが、出来ればヤエン専用のリアドラグ式のものがあれば使いやすい。

ライン

ナイロンの2号前後。クリアカラーかヤエン専用のブラックカラーのものがお薦め。蛍光色などの目立つものはイカが嫌うと思われるのでNG。また、カラーラインに先端だけクリアラインを結んだものが使えるのではと考える方もいると思われるが、結び目にヤエンのリングが引っ掛かってしまいイカまで届かない恐れがあるのでお薦めしない。

ラインの先端にはハリを付けてエサを掛けますが、ヤエン専用のスイベル付きのハリがあるのでこれがお薦めです。あと、ヤエンストッパーゴムや魚に取り付けて活エサが浮かないよう沈めるオモリなどもあるので用意しておくと便利です。

とりあえず仕掛け類はこれだけあればOK。

ヤエン

 肝心のヤエンだが、いろんなメーカーから多種多様な形状のものがリリースされているので、これは各自の好みで選ぶといい。一応損失などのトラブルも考えて2本以上は用意しておきたいところ。

ヤエンにはいろんな形状のものがある。上から、スタンダードなヤエン(大型対応のLサイズ)、糸滑り重視のA-RBラインローラー内蔵を搭載したシマノのA-RBラインローラーヤエン、跳ね上げ式のフッカーヤエン(あおりねっと)、イカを上下で挟み込む方式の挟み式ヤエン(あおりねっと)、あると便利なヤエンケース(第一精工)

その他

 あと必要なものは、竿受け、エサ用活かし用バッカン&エアーポンプ、タモなど。

ヤエンのエサ

一番はやはり活きエサ。アジ、ボラ子、アメウオ(ダイミョウサギ)、キス、大きめのネンブツダイ、コッパグロなど小魚なら使えるものが多いですが、やはりアジがが喰い付きもよく、長持ちするのでお薦め。大きさは12㌢ぐらいから大きくても20㌢弱までが目安。

活きエサの確保は、当日もしくは前日までに堤防などで自分でサビキなどで釣っておく必要があるが、アジなどは一部の釣具店もしくは活魚を扱っているところで入手可能な場合もある。

活きエサが入手出来ない時は死にエサ(冷凍や生のアジ)でも代用可能。スーパーなどで入手出来るので活きエサが入手できない時の予備に用意しておくといいだろう。

エサのハリの刺し方

ハリを刺す場所は、アジの場合、尻尾の付け根の硬いゼイゴ付近に刺すと外れにくく泳ぎにも支障が少ない。その他の魚の場合は背ビレの後ろなどに刺す。ヤエンの場合、魚の泳ぎやすさやイカを掛ける時の向きなどを考えると経験上、鼻掛け、口掛けはあまり向いていない。

エサの交換は、魚を海水に入れた時に腹を見せてしまうようになった時で、大体2~3回の投入し直しぐらいが目安。弱って交換したエサは予備に保管しておき、活きエサがなくなった時のために取っておくといい。

エサの投入からアタリ待ちまで

投入時はエサを弱らせないように足元から泳がせるのが理想だが、地形上、遠投が必要な時は出来るだけ優しく投入する。

その後は放ったらかしではなく、ラインを操作して魚が沖向きやイカが居そうな場所へ向かうようにコントロールする必要がある。

そしてある程度思った場所に入ったらラインを軽く張って、竿先にアジの動きが分かるぐらいにしてアタリを待つ。

その後もエサの状態を確認しながらラインを出したり引っ張ったりする。魚の泳ぎが悪くなったように感じたら一度回収して状態を確認してみるといい。

死にエサの場合は狙った場所に直接投入し、ラインを軽く張り気味にしてアタリを待つ。しばらく待ってアタリが出なかったら投入場所を変えて再投入する。

アタリの出方

まず、リールのドラグは緩めに調整しておき、軽く引っ張るだけでラインが出るようにしておく。

活きエサの場合、イカが現れるとエサの魚が逃げようとして急に暴れ始めるというような前アタリが出る。これを見逃さないよう注意。

魚が暴れてドラグが不定期に引き出されるときはまだエサが逃げている状態、その後、ジーッと鳴りっ放しに鳴り続けたらイカがエサに喰い付いたと思えばいいだろう。

この時、ロッドは置いたままでも手持ちにしてもいいが、ラインが出ている間はイカが安全と感じる場所までエサを運んでいる状態なので、ラインメンディングするだけで余計なテンションは掛けないよう注意し、イカの引きが止まるまでそのまま走らせる。

イカを引き寄せ始めるタイミング

ラインの出が止まるとイカがエサを喰い始めた合図。ここでまたそのまま数分待つ。イカがエサの頭を喰いちぎってから身に本格的に喰い込み始めるまでなのだが、実際に見えるわけではないので、大体2~3分を目安とするといい。

ここでラインを張り、1秒で2030㌢ぐらいの感覚でイカを寄せ始める。ここで数m程引っ張ってもイカがエサから離れなければほぼ大丈夫。そのまま慎重にテンションを保って少しずつ引き寄る。

寄せる時にロッドは立てない

この時、ロッドを立てて寄せてしまうとイカが上層に浮いてしまい、あとでヤエンを投入する時にラインの角度が乏しくなってしまうので注意。イカが浮かないようロッドは極力寝かせ気味にして寄せるようにした方がいい。

また、もしここでイカがエサを離してしまっても、食い気が落ちていない個体ならまた喰い付いて来ることが多いので、慌てずしばし待って観てもいい。ここで再び食い付いた反応が出なかった場合、エサを付け替える必要があるので仕掛けを回収して入れ直す。

ヤエンを入れるタイミングと手順

ヤエンを投入し、イカまでスムーズに届けやすい角度は45度程。それ以下だとラインの緩みなどの関係で途中でヤエンが止まってしまう恐れがあるので注意。

その場所まで引き寄せたらヤエンを掛けるタイミング。まずロッドを後ろに寝かせてラインを手に取ります。そして、イカに極力違和感を感じさせないよう注意しながら慎重にヤエンをラインに通し、ロッドを立ててながら落とし込ん行く。イカまで届いたらコツンという感触があるので分かりやすい。

アワセは

ヤエンがイカまで届いたと思ったら、竿先を少し下げてラインを軽く緩めてやるとヤエンの先端がテコの原理で跳ね上がり、イカに掛かりやすくなる。

イカがフッキングしたら、急に引き始めるのでそれが合図。大きなアワセは必要なく、あとはまた一定のテンションを保ってタモ入れしやすいところまで慎重に引き寄せるだけ!

ヤエン釣りの醍醐味は

この釣りの醍醐味は、イカがエサに喰い付いて走った時のドラグ音、イカを引き寄せる時、そしてヤエンを送り込んでフッキングさせる時の緊張感。エギングなどとは一味違い、一度味わったら病みつきになるかと思う! それに春のヤエンは2㌔超の大型の期待が大きいのも魅力。機会があったら是非挑戦を!

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